コレバイン(コレスチミド)の添付文書には

併用注意
胆汁酸製剤(ウルソデオキシコール酸)
・併用薬の血中濃度が低下するおそれがあるので、可能な限り間隔を空けて投与すること
・同時に経口投与された場合に、併用薬の吸収を遅延あるいは減少させるおそれがある

とあります。

・ウルソデオキシコール酸の血中濃度が低下する理由
・併用するとどのくらい血中濃度が低下するのか。
・「可能な限り間隔を空ける」とはどの程度なのか

など、気になった点について調べてみました。

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◆コレスチミドとの併用でウルソデオキシコール酸の血中濃度が低下する理由
コレスチミドは消化管で胆汁酸を吸着し、排泄を促進するため

・コレスチミドの作用機序
消化管で胆汁酸を吸着し、排泄を促進する
→胆汁酸の腸肝循環を阻害し、肝におけるコレステロールから胆汁酸への異化を促進する。
→その結果、肝のコレステロールプールが減少するため、この代償作用として肝LDL受容体の増加による血中LDLの取り込み亢進が生じ、血清総コレステロールが減少する。

◆併用するとどのくらい血中濃度が低下する?
・ウルソデオキシコール酸との併用の報告
非併用時に比べてコレバイン投与時に30分後のウルソデオキシコール酸の血中濃度が50%以上低下する報告があった(審査報告書より)

◆コレバインは絶対食前じゃないといけないの?
・添付文書の用法:1日2回朝夕食前
臨床試験は主に食前投与にて実施されているが、食後投与による臨床試験でも食前投与と同程度の有効性と安全性が確認されている。朝夕食後の成績は一般臨床試験(非盲検試験)によるものであるため、添付文書では朝夕食前となっている。

◆「可能な限り間隔を空ける」ってどの程度?
・食前のコレスチミド投与はウルソデオキシコール酸の腸管からの吸収を阻害するのでウルソデオキシコール酸の投与は食間が望ましい(インタビューフォームより)
・コレスチラミン(コレスチミド)投与の際は、ウルソ投与の前後に2~4時間空けることが望ましい。(PBC診療ガイドラインより)

薬物動態
・経口投与されたコレスチミドは消化管から吸収されず、また消化管内で代謝又は分解されず全て糞中に排泄される。
・作用発現時間・持続時間、消失速度定数etc:該当資料なし

◇まとめ
正確なデータはなく、やはり「可能な限り」間隔を空けるべきといった感じでしょうか。50%以上低下するという報告もあるのでしっかり間隔は空けた方が良さそう。

◆参考文献
添付文書、インタビューフォーム、審査報告書、PBC診療ガイドライン