【商品名】ダフクリア錠200mg【成分名】フィダキソマイシン【薬価】3943.80円【適応症】感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)【用法・用量】1回200mgを1日2回経口投与【作用機序】細菌のRNAポリメラーゼを阻害することによりRNA合成を阻害し抗菌活性を示す。C.difficileをはじめ
感染症
ICUにおける薬剤耐性菌に対するサイクリングとミキシングの効果:クラスターランダム化クロスオーバー試験
The effects of antibiotic cycling and mixing on antibiotic resistance in intensive care units: a cluster-randomised crossover trialPleun Joppe van Duijn,et al ; SATURN consortiumThe Lancet Infectious Diseases, Vol. 18, No. 4Published: January 24, 2018◆
抗菌薬のサイクリング療法とは
一定期間の治療抗菌薬を特定のものに限定し、その使用抗菌薬を数か月ごとにサイクルさせる方法◆ポイント長期投与による耐性菌出現を防ぐだけでなく、抗菌薬非存在下において耐性株が野生株との生存競争に負け減少する可能性が考えられている。◆きっかけRaymondらによる報告
抗菌薬使用量調査に用いる指標について
最近院内の抗菌薬使用量と耐性率の関係とかを調査しています。そのなかでそういった調査に用いられる指標がいくつかあることを知ったのでまとめました。AUD(antimicrobial use density):抗菌薬使用密度「一定期間における抗菌薬の力価総量をWHOで定義されたDDD(defined dail
Clostridioides difficile感染症とその治療薬
◆Clostridioides difficile(Clostridium difficile)とは芽胞を形成する偏性嫌気性グラム陽性桿菌温熱、消毒薬への抵抗性が強く、乾燥した環境下で長期間生存できる抗菌薬が投与され腸内フローラが攪乱されることで増殖・成長・毒素産生が起こりC. difficile感染症(CDI)
抗がん剤投与とHBV再活性化
◆HBV再活性化とは抗癌剤や免疫抑制剤を投与することで沈静化していたHBVが活発化し、肝炎が引き起こされること。HBV再活性化による劇症肝炎は死亡率が高くなるため再活性化を予防することが重要となる。HBs抗原陰性:denovo B型肝炎(HBVの再活性によって発症する肝炎)HBs
菌まとめ③腸球菌
◆腸球菌とは腸内、上気道、皮膚、外陰部などに常在するグラム陽性球菌血液内に混入することで感染を起こす病原性は弱いが抗菌薬が効きにくいすべてのセフェムとST合剤に自然耐性をもつちなみに...腸球菌という名の通り腸内細菌ではあるが腸内細菌科の細菌ではない◆問題とな
菌のまとめ②腸内細菌科
腸内細菌ヒトの腸内に生息する細菌の総称腸内細菌科 Enterobacteriaceae・真正細菌の分類上の一グループ・腸内細菌のうちの1%未満・消化管の近接臓器で閉塞によって起こった感染症で問題となるグラム陰性桿菌・尿路感染や腹腔内感染、さまざまな医療関連感染を引き起こす代
ウイルス感染症とその治療薬
ウイルスとは・ウイルスは粒子内にDNAもしくはRNA(基本どちらか一方)を含んでおり、細胞に感染後DNAもしくはRNAを宿主細胞のシステムを使って増幅しながら増殖していく構造体。生物か非生物かは議論が分かれている。・自己増殖能がなく、宿主に感染することが増殖の必須条
菌のまとめ①緑膿菌・多剤耐性緑膿菌
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)とは◆ヒトの生活環境、特に水や土壌など自然界に広く分布しているグラム陰性好気性桿菌◆オキシダーゼ陽性のブドウ糖非発酵菌◆1本または数本の鞭毛をもち、運動性がある。◆色素を産生する→特に名前の由来となっている緑色のピオシアニン
抗菌薬まとめ④アミノグリコシド系抗菌薬
◆歴史Waksmanが1943年にストレプトマイシンを発見したことに始まる。1963年にゲンタマイシン、1972年にアミカシンが開発された。◆構造ゲンタマイシン◆殺菌性→細菌のリボソーム30Sに結合し殺菌的に作用◆濃度依存性→1回投与量を十分確保し、最高血中濃度を十分あげる必要
真菌感染症と抗真菌薬について
うちの採用薬で抗真菌薬にはファンガード、ブイフェンド、フルコナゾール、アムビゾームがあるのですが、使い分けがあまりわかっていなかったので調べてみました。■病原真菌の分類、特徴酵母Yeast・カンジダ あらゆる動物の皮膚、口腔、腸管から検出される。・クリプトコッ
抗菌薬まとめ③カルバペネム系抗菌薬
◆歴史1976年、土壌にいた放線菌Streptomyces cattleyaより抗生物質であるチエナマイシンの誘導体が分離された。その後1987年初めてのカルバペネムであるイミペネム・シラスタチンが発売。◆構造・セフェムでSだったところにC(カルボ)が入っているからカルバペネム・Hがト
抗菌薬まとめ②セフェム系抗菌薬
◆歴史 1945年、ジュゼッペ=ブロッツが下水道からの海水から微生物を分離しているときに偶然抗菌活性がある真菌Cephalosporium acremoniumを発見(この真菌が作っていたのが後のセファロスポリン)。その後いろいろあって10年以上経ち、最初のセフェムであるセファロチンが1
嫌気性菌感染症とその治療薬
◆嫌気性菌とは酸素がない条件下で生育する細菌・偏性嫌気性菌:酸素があると生育できない →腸内細菌叢の99%以上。破傷風菌、ボツリヌス、ガス壊疽菌など一般的に嫌気性菌と呼ばれるもの・通性嫌気性菌:どっちでも生育できる →一般細菌の大部分・偏性好気性菌:酸素がな
抗菌薬まとめ①ペニシリン系抗菌薬
わかっているようであんまりわかってない気がするので抗菌薬について初めから勉強し直そうと思う今日この頃です。とりあえずペニシリンから。◆歴史1929年 Fleming:ペニシリンの発見 フレミングは青カビから抗菌物質を発見しペニシリンと名付けた。しかし精製するまでには
ESBL産生菌感染症の治療薬について
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薬剤耐性のメカニズム
最近大学のときに書いた文章でいま役に立ちそうなものを見直してます。耐性菌の研究をしたりしていました。 細菌の抗菌薬耐性機構(1)酵素による抗菌薬の不活化 (2)抗菌薬作用点の変化による薬剤の親和性低下 (3)抗菌薬の膜透過性の低下 (4)抗菌薬の細胞外への能動的排